愛★ヴォイス

「はぁ……。じゃあ、今日の帰りまでにまだ興味があるようでしたら連絡先を交換しましょう。でも本当に気を遣っているだけでしたらやめて下さい。俺、本当にそういうの気にしませんから」

「わかりました」

大好きな声が私だけに向けられていて。

直接響く彼の声は何物にも代え難い。

彼の声さえ聴ければ、何を犠牲にしたって構わない!


その後、会場に戻った私たちだったが、彼は十分に高級イタリアンを堪能し、私はと言えば、彼以外に興味をひかれるわけもなく、根負けした様子の彼と私とで、約束通りに、帰り際連絡先を交換した。