夕日塔の約束

担任の先生によるHRが終わり、私達は1時間目の授業の準備に突入。


美術の教科書を持って、美術室に向かった。


「ヤダなぁ美術。やりたくないよ~~~~」


絵を描くのが苦手な私は、重いため息をつく。


一方の稚鶴は、ウキウキと楽しそうだ。


「私はやりたいよ?だって絵好きだもん♪」


「そりゃあアンタは絵の才能あるからね……楽しいだろうさ」


稚鶴の母方のおばさんは美大の先生で、姪の稚鶴にも小さい頃から絵を教えてたらしい。


お陰で稚鶴は今まで1回も美術の成績が“5”以外になった事が無い程、絵が上手い。