……うそでしょ。


夥しいほどの着信を思い出し、妙に納得する。



「……最悪だ」



これって、もしかして、閉じ込められたわけで……。


明日の朝……、下手をすれば、何日間も見つけてもらえないかもしれないわけで……。



「……困った。困ったな」



顔が引きつる。どうしよう。頼みの綱の携帯も充電が切れた。


あたしの居場所は誰にも教えてない。


――助けはこない。


……きっと今頃菜乃子と悠也は、二人楽しい時間を過ごしているというのに。



「――て、考えんのはやめ!」



ブンブンと頭を振り、悪い考えを追い出す。よけい惨めになるだろ、あたしが。



――さて、と。


深呼吸を繰り返し、落ち着きを取り戻す。