「蔵田君、メガネ、壊れちゃったの?」 真喜子が、智哉が手に持っているメガネを指して、心配そうに聞いている。 「あぁ、フレームが曲がっちゃって、買い換えないとダメだな」 「えっ、大丈夫? 今は見えてるの?」 「あぁ、それはへーき。俺、メガネなしでも0.6~0.7はあるから」 そんな真喜子と智哉の会話を、ボンヤリ聞いていたら……。 「綾華?」 固まっているあたしを、不思議そうな表情で見る智哉。 「え? あ……、えっと、おめでと!」 ぎこちなく笑顔を作ると。