次の休み時間、あたしは菜々美を誘って廊下に出た。 「菜々美、雄太のこと、黙っててゴメン」 昔付き合ってたのを、内緒にしてたことを謝る。 ところが。 「あぁ、あれね、知ってたよ」 「え?」 「あたし、そういう情報、けっこう早いんだよね」 フフ、と自慢げに笑う菜々美。 「えーっ、いつから知ってたの?」 「うーんと、4月半ばくらいから。 綾華が言わないから、言いたくないんだろうなと思って、あたしも黙ってただけ」