すぅっと息を吸い込んだ




よし!



私はありったけの勇気を振り絞った



「あのっっ!!!これ、食べてください!!」


そう言って、狭山君の手にチョコを押し付けた




驚く佐山くんをよそに、鞄を掴んで教室を飛び出した





誰もいない廊下を全速力で走る







渡した!渡した!


狭山君にチョコをわたした!!!







胸がいっぱいになって、気がついたらほおに涙が流れていた





狭山君に渡したんだ…






いつも見てるだけだった


話しかけようとしたことはあったけど、話しかけたことはなかった








気がつくと、下足所に着いていた