「ちょっ…先輩!?
かばん、返してくださいっ!!」


「だーめ。
こうでもしないとお前、
走って先に行くだろ?」


あれから一日。


先輩は何か吹っ切れたのか、
驚くほど私に対して積極的になって


ああ、あれは嘘じゃないんだって
痛感させられる。


逆に、瞬とは一言も会話をしていない。


目も合わせてくれない。


なんだか寂しさを感じながらも、


私の気持ちは、確実に揺らいでいた。