「…何で、イライラするんですか…?」


恐る恐る聞く。


「知らね。
俺にもわかんねぇけど」


ぶっきらぼうになった声が上から降ってきて


ふわっと体が、離れた。


「何かすっげーイラつく。」


私の涙の跡を、
先輩の細長い指がなぞった。



「…あ、そっか。」


一人で、何かに閃いたような顔をした。


そして、先輩は


太陽の光のように、優しく


ふっと、微笑んだ。