「しゅ、瞬…
こっちのカバン、持って…!!」
「はぁ?」と面倒くさそうに顔をしかめた瞬に、
お構いなしにトートバックを押し付けた。
「何なんだよ…
って、重っ!?」
瞬の胸辺りで構えられていた右手は、
太ももまでさがっていた。
トートの底は、地面スレスレだ。
「そっちのが、こっちより、軽いから…!!」
教科書にノート、部活の用意。
それだけでカバン2つがぱんぱん。
「俺は昨日のうちに、
いるもんロッカーに置いて帰ったぜ?
お前、要領悪ー…」
…くっそぅ
一言も言い返せない。
「…お前さぁ、
先輩たち避けんの、いい加減やめたら?」