瞬と私は幼なじみ。


もうその付き合いは
15年になる。

登校はいつも一緒。

けれど、今年で10年目に突入した
私たちの登校生活

びっくりすることにこいつは、
私がインターホンを押したときに
起きていたためしがないのです。


ずかずかと家に上がり込む。
こいつの家はもう我が家同然。

ドアノブに手をかけ、
息を大きく吸う。


「瞬ー!
起きろォオ!!!」


「ハイ!?」

起きたのは隣の部屋で寝ていた
お父さん。

太郎ちゃん(名前)、
あんたじゃないって。


「んん~…?」

少し遅れて目を覚ます瞬。


「遅い!
早く着替えて!」


まくしたてながら、
美咲ちゃん(お母さん)から預かった
パンを口に突っ込む。


「んぁ…
愛姫か…?」


気づくのが遅すぎるだろう。


「今日何の日だぁ…?」

「入学式!」


自分と瞬の、大きなボストンバックを抱えて、階段を駆け下りる。


さすがに着替えは見られない。