どくん


胸がいやに高鳴る。


もしかして、その幼なじみ、って…


「あの、せんぱ…」


もう少し詳しく聞こうと開きかけた口を


先輩の人差し指が制した。


「今回はここまで。
いい?」


どきっ


何だか、強引に男らしいような
寂しがる犬のような


…さっきまでは私が優位だったのに


そんな顔されたら、
それ以上聞けないでしょ…‼


「…先輩はずるいです。」


「気のせい気のせい。」


「気のせいじゃありません。」


そんな、一見穏やかな日々。


いつまで、続くんだろう…


「愛姫ー‼
ちょっと手伝ってー‼」


「あっ、はーい‼」


芹花の声が響く。


私は彼女の方へ駆け出した。


「…そうか。
俺はずるいか…」