コンコン。 ノックの音が響く。 「はい…?」 「愛姫。」 「先輩‼」 私の部屋のドアをノックしたのは、 蓮先輩だった。 「明日、用事ある?」 「い、いえ ないですけど…?」 「じゃあ、もしよかったら」 意味ありげに、耳に口を寄せてくる。 「デート、しない?」 「デっ…‼」 すぐさま私の口を塞いだ先輩は、 「しーっ」 と、口元に指を当てた。