「…先輩…?
あのっ、ここ、街中…」


そんな、小さな反論なんて
まるで聞こえないように


先輩の腕の力は次第に強くなっていく。


「やめろ。」


「え?」


「俺は、お前が思うほど
いい人間じゃない。」


「そんな…」


「そしてお前は、お前が思うより
いい人間だ。」


「違います‼」


「違わない。
だから俺はこんなにも、
お前が好きなんだ。」