このままじゃ遅刻は確実だ


「近道してこ…」














ガサガサッ



「ん…?」



「へっ…?」



目、目の前に人!?



「わわわっ!
そこどいて〜!」



「えぇ!?」



私は近道のしげみから出るさいにジャンプして、そのままちょうどそこを通ていた人にドカッ!と当たった


「いた〜…」



「いてて…」



その人の上に乗るように倒れる



それに気づいてすぐに離れた



「ご、ごめんなさい!
ケガ、ないですか…?」



恐る恐る聞いてみる



ぶつかったのは男の人



黒髪で、顔はうつ向いているからよく見えない



でも同じ学校の制服を着てるから、同じとこの人なのだろう



「あ、あの…」



さっきから黙ったままで動かない



もしかして、どっかうって動けないとか?



心配したのもつかの間



「……ぷっ、ククク……」


笑い声が聞こえた



あ、打ち所が悪くておかしくなっちゃった!?



「あ、あの大丈夫…」



「はぁ〜、朝からこんな笑かしてくれるなんてな〜」


「あ…!」



それは私のよく知っている人だった



「また遅刻しそうになって近道か?
いつまでたっても魅羅は変わんねぇな〜」



「う、うるさいな〜!」



そう、こいつは私の幼なじみ



名前は城田真琴



小学校からの付き合いで、高校も一緒で家も近所



そして…



「たく、昔から魅羅は目を離すと危なっかしかったからな〜」



「わ、悪かったわね!」



パンパンとズボンをはたきながら立ち上がり、私に手を差しのべ



「ま、そこが魅羅のいいところなんだけどな」



と言いながら、座っている私の手を取り立ち上がらせてくれた



「あ、ありがと…」



「どういたしまして」



笑う誠を見て、私はドキッとした



「さてと、急ぐぞ魅羅!」



手を繋がれ走り出す



ヤバい、すごいドキドキする…!













城田真琴は、私の好きな人でもあった…