やっぱりあの時と同様、帰りは無言



その後は真琴が口を開いて好きな人いるんだ発言だっけ?




…私ちゃんと聞けるかな…






「魅羅…俺さ、断ったんだ」



「うん…」



「…聞いてくれ!
俺はずっと好きなやつがいたんだ!」



夕日を背景にして言う真琴


…知ってるよ



で真琴はその人に告白しようと思うんでしょ?



いいんじゃない…?



真琴が誰を好きになろうかなんて、真琴の自由だし…


ただ、その相手が私じゃなかったってだけ…



「俺は…!」



でもやっぱり辛いよ、こんなの…




「待って、真琴
私から言わせて?」



「え…」



どうせ終わる恋なら、早く言っちゃおう…



「私ね、昔から真琴のことが好きだったんだ
意地悪だけど、すぐ優しくしてくれるとことか、危ない時助けてくれるところとか、笑って撫でてくれるところとか、全部好きだったんだ…」



「魅羅…」




「でも真琴には他に好きな人ができちゃったみたいだし、この恋も今日で終わり!」



ハハハとムリして笑い飛ばす



ホントは今にも逃げ出したいくらいなのに…



涙だって出そう…



でも目の前にいる真琴を困らせたくなかった




下を向いて真琴の返事を待っていた



けど、返事は帰ってこない



……?



顔をあげようとした瞬間、勢いよく抱きしめられた




「え、えっ!?」



訳がわからなくて頭が混乱する



「真…」




「魅羅、何で笑ってんのにそんな辛そうな顔してんだよ!」



え…



私辛そうな顔なんかしてた…?



「言ったろ?
魅羅はそんな顔より笑って顔の方が可愛いんだって…」



「うん…」



もう限界…