狼さんとの付き合い方

瑠樹の乾いた声が昇降口に響いた。



…あぁ、そうなんだ。


やっぱり私、自分に誤魔化してただけだったんだ。


こんなにも愛しい気持ち、もっと早く気付けば良かった。


苦しいのは、私がただ単に嫉妬深かっただけなんだ。



瑠樹が好きなんだ、私。


私は物陰から出る。

瑠樹は私に背を向けて立っていた。



…あの背中が好きだ。

…あの黄昏た雰囲気が好きだ。

…全部、好きなんだ。



「…瑠樹ッ!!」


今度は私の声を昇降口に響かせる。

驚いた、瑠樹の顔が見えた。