赤い狼と黒い兎Ⅱ




繁華街の入り口には、見慣れない姿の人間。フードを被っていて男か女かはわからない。


ただわかるのはタダ者ではない、ということ。それぞれ個性的なコートを羽織、堂々と立っている。


その中でも一際目立つのが、黒いコートを羽織った男。


存在感、独特のオーラ。


誰でも近寄らせないようなそんな感じがする。




「―――散れ。」




低い声で、男がそう言うと周りにいたハズの人間が居なくなっていた。


また、黒いコートを羽織った男も、居なかった―――…。