赤い狼と黒い兎Ⅱ




こんなあたしでごめんね…。


今しか素直になれないあたしを許してね…。


それから沈黙が続き、よく耳を凝らせばスースーと寝息が聞こえてくる。


……もしかして…?




『………唯兎』




そう思って顔を覗けば、満足そうな笑みを浮かべて爆睡している唯兎。


それも気持ちよさそうに、ね……。




『なんなんだこいつは……』




大事な話じゃなかったワケ?


さっきのあたしの罪悪感を返してよ。


……なんて。あたしが悪いんだけど。




『おやすみ唯…』




夢の中くらいは幸せでいてね。