赤い狼と黒い兎Ⅱ




朱雀の中でも怒らせたら怖い人No.1


達哉に逆らえる奴はあたしくらいだ。




「その紙袋、何?」




あたしの前にヤンキー座りして紙袋を指差す。




『さぁな』

「見ていい?」

『ダメ』

「何でだよっ」




紙袋に手を伸ばそうとする達哉の手を叩いた。




「いてぇな」

『さっさと仕事に戻れや。暇人か、てめぇは』

「いいだろ?忙しくて見舞いも集会も行けねぇんだからよ」




せめて集会は土曜にしてくんね?、という達哉に溜め息をついた。




『そういうのは唯兎に言えよ…』