「おかえりなさい!」
そいつが浮かべていたのは、涙なんかじゃなくて。
キラキラとした笑顔だった。
『………』
まさに拍子抜け。まさに面喰らった感じだ。
「馨さん…?」
『お、おお…。た、だいま…』
「はい!」
ニコニコと笑うそいつにあたしも釣られて笑った。
またここに戻って来られて、良かった…。
改めてそう思い直したあたしだった。
『んじゃ、お前がピッカピカにしてくれたこいつで行って来るわ!』
「はい!お気をつけて!!」
倉庫にいる下っぱたち全員に手を振り、吹かしてからバイクを発進させた。
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