「馨、唯兎呼んであげようか?」 ニヤニヤと笑う春架にイラついて、クッションを投げた。 「イッタッッ!」 「「「「ドンマイ春架」」」」 見事クッションは顔面に当たり、ボトリと床に空しく落ちた。 …はぁ。こっから本署まで結構距離あるからな…。 もうそろそろ行くか…。 「あれ、どっか行くの?」 「やっぱ唯兎の……、ごめんなさいごめんなさい」 まだ懲りない春架を思いっきり殺気を出して睨んだ。 どんだけ“唯兎唯兎”言うんだよ。 『あ、そうだ。亜稀羅』 「ん?」