ポケットからタバコを取り出し、瑠宇から奪い返したジッポで火を点ける。
フー、と息を吐くと紫煙がゆらゆらと揺れ消えていく。
―――静かな夜だな。
いや。倉庫の中はドンチャン騒ぎだが。こんなにも落ち着いて夜を過ごすのは、初めてだ。
すると、ブーッブーッとケータイのバイブが鳴った。
タバコをくわえて、ケータイを取り出す。
『………非通知?』
イヤな予感しかしないんだけど。嶽んときも非通知からだったし…。
つーかアイツか?…ってんなわけねーし。ちゃんと電話帳に嶽は登録してあるし……。
…まぁとりあえず、出るか。

