赤い狼と黒い兎Ⅱ




ポケットからタバコを取り出し、瑠宇から奪い返したジッポで火を点ける。


フー、と息を吐くと紫煙がゆらゆらと揺れ消えていく。


―――静かな夜だな。


いや。倉庫の中はドンチャン騒ぎだが。こんなにも落ち着いて夜を過ごすのは、初めてだ。


すると、ブーッブーッとケータイのバイブが鳴った。


タバコをくわえて、ケータイを取り出す。




『………非通知?』




イヤな予感しかしないんだけど。嶽んときも非通知からだったし…。


つーかアイツか?…ってんなわけねーし。ちゃんと電話帳に嶽は登録してあるし……。


…まぁとりあえず、出るか。