赤い狼と黒い兎Ⅱ




「どーした向日葵。ふてくされて?」




面白そうに笑う唯兎に郁も笑った。




「馨チャンに怒られたか?」

「…うっせ。」

「―――で。お前らいつまで手ェ繋いでる気?」




顔はいつも通り笑顔だが、言葉にトゲがある。




「いいじゃん」

「良くねぇよ」

「ヤキモチか?」

「だったら?」

『??』




まったくついて行けない会話に、郁があたしに耳打ちをした。




「長引くから、向こう行っておいで」

『?、うん』




スルリ、向日葵から手を放してまた輪の中心に戻った。