次の幹部候補の“柊瑚雨”ちゃんが、あたしのところに走り寄って来た。 瑚雨ちゃんは、名前はかわいいんだけど見た目が厳つい。 無数のピアスに着崩した服装。 まぁ、瑚雨ちゃんらしいっちゃあらしいけどね。 正義感も強いし。いい子だし。 『どした?』 「休んでていいっすよ?お疲れでしょう?」 こうやって気が利くところも、彼女の取り柄だ。 『別に大丈夫だよ。もうすぐ終わるし』 「そうですか…?」 にっこりと笑えば、不安そうに眉を潜める。