赤い狼と黒い兎Ⅱ




亜稀羅はぎゅっと抱きついてきて、麻友美は近くにあったお酒に手を伸ばしていた。




「あー、でもさー…なんだかんだいつも楽しかったよねー…」




チューハイをくるくると回しながら、昔を懐かしむように言った麻友美。


その表情はどこか切なげで悲しそうだった。




「そうだなー。だいたい馨絡みだったけどな」

「あー、確かに!」

『……は?あたし何もしてないけど』




一度口付けた缶を離し、怪訝な顔でそう言えば2人はニコニコと笑った。




「馨が居るだけで笑顔になれるんだよ」

「だから、馨がまた居なくなっちゃったら抜け殻に戻っちゃうかもね」

『………アホか』




あたしが居るだけで笑顔になれたら、世の中平和すぎてボケるよ。


第一、あたしにそんな能力は持ち合わせてない。