「それもそうか」
『うん』
唯兎はふっと笑ってあたしの頬に手を置いた。
「大好きだよ、馨」
『…あたしも、だいすき』
―――そしてどちらともなくキスをした。
きっと、乱鬼との抗争がなくてもあたしは近いうちに辞めるつもりだった。
だって片目が視えないんだよ?
そんなの、総長としてやってけないでしょ。みんなを守ってあげられないよ。
だから…潮時かな、と思って辞める決意を決めた。
明日の宴会が終われば、あたしはもうwolf moonの総長じゃなくなる。
明日で、すべておしまい。
長かったような短かったような…。暫くは総長としての感覚が抜けなさそうだなぁ。
心の中で苦笑いした。

