赤い狼と黒い兎Ⅱ




「それもそうか」

『うん』




唯兎はふっと笑ってあたしの頬に手を置いた。




「大好きだよ、馨」

『…あたしも、だいすき』




―――そしてどちらともなくキスをした。


きっと、乱鬼との抗争がなくてもあたしは近いうちに辞めるつもりだった。


だって片目が視えないんだよ?


そんなの、総長としてやってけないでしょ。みんなを守ってあげられないよ。


だから…潮時かな、と思って辞める決意を決めた。


明日の宴会が終われば、あたしはもうwolf moonの総長じゃなくなる。


明日で、すべておしまい。


長かったような短かったような…。暫くは総長としての感覚が抜けなさそうだなぁ。


心の中で苦笑いした。