赤い狼と黒い兎Ⅱ




なんだかんだありながらも、2人の仲が元に戻った事が一番嬉しかったりする。


…ここに、瑠衣が居たらもっと良かったのにな。




「馨」

『ん?』




またぎゅっと抱きついてくる唯兎を見上げて、見つめる。




「……お疲れ」

『ん。唯もお疲れ様。…あの時、』

「ん?」

『ナイフで刺されそうになった時さ助けてくれてありがとう。…視えてなかったから』

「ああ…。助けるなんてトーゼンじゃん。俺は馨の眼の代わりだよ?」




ニコッと笑う唯兎にドキッとしつつ、もう一度“ありがとう”と言った。


すると唯兎はソファーの背もたれを乗り越えてあたしの隣に座り、じっと見つめた。




『…な、何…?』




その視線に耐えられなくて、ドモリながらそう言った。