赤い狼と黒い兎Ⅱ




「おっ、見ろよ。馨の顔が痛みで歪んでんぞ!こんな顔滅多に見れねぇっ!」

「あー…ほんとだ……」

「ずっと我慢してたんだー…?」




隣で爆笑する嶽の脛を思いっきり蹴って、ソファーから落としてやった。




「ってぇな!何すんだよっ」

『ふんッ』




あたしを笑うからバチが当たったんだよ!


テキパキと手当てしていく瑠宇に、唯兎はあたしと嶽のやり取りに苦笑いしていた。




「…ここまでしなくても良かったのによ」

『…!』




きゅっと包帯を巻き終えると手を握ってきて、瑠宇を見つめた。




「そーそー。あんなんテキトーに避けて落としときゃ良かったのに」

『……お前がそれ言うか』




あたしはそう言って苦笑いをこぼした。


仮にも、昔好きだったやつを。