階段の踊り場に出ると、目の前にあるドアがゆっくりと開いた。
あたしは驚いて、少し後退ると中から総長と副総長らしき男が2人出てきた。
……その後ろに、あの女もいた。
「まさか黒狼自身が来てくれるとはな」
「光栄ですよ。黒狼サン?」
ニヤリと笑う2人に気持ち悪さを感じた。今まで会ってきた奴らとは違う。
何が違うのかイマイチわからないが……。
『……仕掛けは大成功みたいだな?』
総長の方を睨んでそう言うと、そいつはニヤリと口角を上げる。
「ああ。お前のおかげだよ。全て順調だ。…後はトップのお前ら、狼鬼と朱雀を潰すたけだ」
下っ端がほとんどやられたこんな状況でも、そんな事が言えるのか?

