赤い狼と黒い兎Ⅱ





階段の踊り場に出ると、目の前にあるドアがゆっくりと開いた。


あたしは驚いて、少し後退ると中から総長と副総長らしき男が2人出てきた。


……その後ろに、あの女もいた。




「まさか黒狼自身が来てくれるとはな」

「光栄ですよ。黒狼サン?」




ニヤリと笑う2人に気持ち悪さを感じた。今まで会ってきた奴らとは違う。


何が違うのかイマイチわからないが……。




『……仕掛けは大成功みたいだな?』




総長の方を睨んでそう言うと、そいつはニヤリと口角を上げる。




「ああ。お前のおかげだよ。全て順調だ。…後はトップのお前ら、狼鬼と朱雀を潰すたけだ」




下っ端がほとんどやられたこんな状況でも、そんな事が言えるのか?