嶽はキュッと唇を噛み締め、拳を強く握りしめる。 でもその瞳には、前のような闇はない。 「でも……」 『でももクソもねぇ…。変わるのか、変わらねぇのか決めろ。文句はその後で聞く』 今の嶽ならきっと変われるハズだ。 自分に自信を持って、顔を上げて前に進めば変われる。 ―――誰でも、変われるんだ。 「……る…」 『あ?』 「っ、お前がそこまで言うなら変わってやるよ!ぜってぇ見返してやっからなッ!覚えとけ!!」 あたしはフッ、と笑みを溢して「上等だよ」と言った。