「じゃあ、その女って二股してた…ってワケ?」
亜稀羅が気づいたように言うけれど、あたしはそれに違うというように首を横に振った。
『違う。…嶽はその女に騙されてたんだよ。ほんとは全て乱鬼を総長によって仕組まれた事…』
「利用されてたって事?」
『そうだよ』
はぁ、と一息つくと歩南さんはにっこりと笑ってテーブルに頬杖をついた。
「で、今度のデカイ抗争って“乱鬼”と殺り合うんでしょ?」
「……え?」
「乱鬼…と?」
冗談だろ、と2人から見つめられるけれど嘘ではない。
下が上を潰しそうとすることは別に不思議なことじゃない。むしろ当然のことなんだ。
『……そうですね』
「それは馨の個人的な殺り合い?それとも嶽のため?」
『―――…違いますよ』
ハッキリとした声で、歩南さんの目を見つめて言った。
『先に仕掛けてきたのは乱鬼の方ですよ。…あたしは無駄な争いはしない主義なので』
「……おー。成長したね?昔は誰彼構わず殺ってたのに」
『………昔話はやめて下さい』

