「馨?」
『ちょっと行ってくるわ。亜稀羅、一緒に来て?』
「?、うん、いいよ」
あとは…やっぱ唯兎も必要だよね。今の朱雀の総長だし。
そう思って唯兎に手招きをした。
「……?」
『少し亜稀羅と唯兎借りるから。何かあったら連絡して』
「りょーかい」
「はっ!?待て!どういう事だっ?」
龍希が慌てて止めに入るけど、そんな時間も今のあたしからしたら惜しいんだよね。
あたしはフードを被って口角を上げた。
『大体の事情はみんなに話してあるし、みんなから聞いて』
「はぁ!?自分勝手…―――」
「じゃあ、もう大体の情報は手に入ったと?」
こういう時、朔弥は冷静で鋭いからやりやすい。
あたしは朔弥の言葉に頷いて「後は頼んだよ」とだけ言って幹部部屋を出た。
「情報って…デカイ抗争の事か?」
『そうだよ。あ、今から行くとことは無関係だから』
そう言って近くにいた下っ端くんからバイクの鍵を貰った。
『みんなわざわざアルバム探してくれてありがとね。後はあたしらで探すからいいよ』

