赤い狼と黒い兎Ⅱ




「馨?」

『ちょっと行ってくるわ。亜稀羅、一緒に来て?』

「?、うん、いいよ」




あとは…やっぱ唯兎も必要だよね。今の朱雀の総長だし。


そう思って唯兎に手招きをした。




「……?」

『少し亜稀羅と唯兎借りるから。何かあったら連絡して』

「りょーかい」

「はっ!?待て!どういう事だっ?」




龍希が慌てて止めに入るけど、そんな時間も今のあたしからしたら惜しいんだよね。


あたしはフードを被って口角を上げた。




『大体の事情はみんなに話してあるし、みんなから聞いて』

「はぁ!?自分勝手…―――」

「じゃあ、もう大体の情報は手に入ったと?」




こういう時、朔弥は冷静で鋭いからやりやすい。


あたしは朔弥の言葉に頷いて「後は頼んだよ」とだけ言って幹部部屋を出た。




「情報って…デカイ抗争の事か?」

『そうだよ。あ、今から行くとことは無関係だから』




そう言って近くにいた下っ端くんからバイクの鍵を貰った。




『みんなわざわざアルバム探してくれてありがとね。後はあたしらで探すからいいよ』