赤い狼と黒い兎Ⅱ




「……ねぇ」

『んー?』




“よいしょ”とゴミ袋を持ち直し、再び前を見据えた。




「初代達の言葉、意味深だったよね?」

『……そうかな。あたしはいつも通りに聞こえたよ』

「嘘つかなくていいよ。分かってんだから」




───…本当、コイツには適わない。


いつも見透かされてる。人の心が読める。エスパー麻友美だ。


…なんてな。




「確かにあたし達のやってる事は、端から見れば偽善者で憎まれる存在」

『…そうだな』

「でもそれが悪い事だなんて誰も思わない。寧ろ感謝されるような立場でしょ?」

『……』

「この頃治安が良くなったって、いろいろ噂になってるよ。それもあたしらが徘徊してるからでしょ?」




そうだね、端から見れば、ね…。


でも、あたし達は警察に言われて動いてるんだよ。


“自主的”ではなく“強制的”に。


嫌だ。と一言言えばやる事はなかった。…でもアイツは卑怯だから、あたしの大切なものまで染めようとした。


現に、亜稀羅がもう染まってしまった。


本当はみんなにやらせるのは嫌だった。亜稀羅なんて以ての外だった。


それでもやらせてしまったのは…───




「──馨?怖い顔してどした?」




麻友美にそう言われてハッとなった。考え事に思考が沈んでた。




『いや、何でも無いよ。』

「ふぅん?しっかしさぁ……」




いつの間にか着いていたゴミ捨て場にゴミを捨て、ふぅ…とその場に腰掛けた。