赤い狼と黒い兎Ⅱ




「あぁ、あのグレーの?」

『そう』

「それならその辺で見た気がするけど…」




辺りを見渡して、ふと後ろを見たら唯兎がさり気なく持っていた。




『……お前が持ってたのか』

「………たまたま見つけたんだよ」

『そうか。返せ』




右手を差し出すと、大人しくカーディガンを手渡す唯兎。


さっきの亜稀羅の話しを鵜呑みにしてるんだろうか…。なんて単純な奴…。


確かに昔から一緒に居るし、家族みたいだけど過保護なんてちょっと言い過ぎ。




『先代…起きたかな』

「先代はもう起きてるんじゃない?」




カーディガンを羽織ってソファーから立ち上がった。


顔だけ後ろに向け唯兎に『お見送り』とだけ言った。