赤い狼と黒い兎Ⅱ




狼…、とは唯兎の事だろうか。というか絶対唯兎だよな、うん。




『えっと……』

「何かしてたら悪ぃのかよ」




仏頂面をして反抗的に言う唯兎に、亜稀羅はにこりと効果音がつきそうな笑顔で言った。




「悪いなんてモンじゃ済まねぇぞ?大問題だからな?……お前、知ってる?馨、朱雀の先代からみんな好かれてるからな。もう親同然だぞ」

「………。」

「そんな過保護な先代から馨をどうにかしよもんなら……」




そこまで言って口を閉ざし、フッと妖しく笑った。


……ただの脅しだろうに。




『亜稀羅、』

「ん?何、馨」




さっきの妖しい笑顔とは打って変わって優しい顔つきになる亜稀羅。


裏表のある弟だな…。




『あたしのカーディガン知らない?』




まったく今の話と関係無いけど、朝方ってこともあってかさっきから肌寒い。