赤い狼と黒い兎Ⅱ




「今までお前らを苦しめたのは俺だ。瑠衣を殺したのも俺だ。…俺は一生許されない」

『……。』

「でも、これだけは言える」




そう言って、少しぎこちない笑顔を浮かべた。


―――昔と同じように。




「お前らと一緒にいた時間、俺はすごく楽しかった。」

『っ!』

「嶽……」




本当に、昔の嶽に戻ったようだった。


…人間はこんなにもすぐ変われるものだろうか。


嶽の中で何があったかは知らない。


でも…、今、あたしの目の前にいる嶽は…昔の“嶽”だ―――…