赤い狼と黒い兎Ⅱ




「そーいや、馨のXJのマフラーいつの間にチェンジしたの?」



工具箱を漁りながら軍手を嵌めた。



『夜中』

「は?マジで??」

『マジ』

「何でまた夜中活動…」

『暇な時が夜しかないからー』



なんてことも無いが。まぁだいたい改造は夜中やることが多い。


たぶん瑠衣の影響だな…。アイツも改造するときはだいたい夜中だったから。



『綺麗なバイクって最初解体すんの怖いんだよなー…』



それでも新しい方が楽しいけど。



「馨ー見てて良い?」

『いいけど…やんねーの?』

「たまには見たいじゃん♪」

『…あっそ』



たまには、moonのメンバーのバイクも見てやるかなー。


なんて思いながら亜稀羅に助手を頼む。



『一回全部バラすから、そのビニールシートの上に置いてね』

「オッケー」



最初だから、エンジン内部とマフラー音だけでいいか。



『マフラー音、派手にしても大丈夫?』

「はい!全然大丈夫ですっ!」

『了解。…ま、手元見てなよ。今後の参考として』