―――心臓が、大きく波打った。 どくりどくり、と嫌な音が自分の中で響く。 ただ、怖い。 何が“怖い”のか、あたしには分からないけれど、ただ言い知れぬ恐怖に怯えた。 「謝って、許される事じゃねぇのは俺だって分かってる。こんな生易しい言葉で解決出来る問題でもねぇ……」 けれど…、嶽の話を聞かなければならない。 だって彼は今…―――自ら変わろうとしている。 余計な事を言って彼の意思を退けるのも間違っている。 なら、黙って聞くしかない。 …大事な事、だから。