とりあえず、抗争はこれでおしまい。


今のところ平和だから大丈夫だと思うけど…。油断大敵って言うからね。


夜の見回りはしっかりやってます。



「しっかし……」

「「暇だなぁ……」」



ただ、喧嘩好きのこいつらにとっちゃ抗争が無くなると一気にだらける。


まぁかく言う、あたしもだけど。



「ねぇ、馨ちゃん?何かしない?」



そんな深子の提案にも、あたしは何もしない。というかしたくない。


だいたい深子が考える事はいつも面倒くさい。




『何もしない』

「しようよぉ~。暇じゃん?暇でしょ?暇だよねぇ?」

『じゃあ外行って遊んできなよ』

「何その“元気な子は外で遊びましょう!”みたいな小学生的なノリ」

『元気じゃん。小学生じゃん?』

「これでもッ、一応ッ、高校生ッッ!!」

『あーそうだったな』



横でギャーギャー騒ぐ深子が煩くて、耳を塞ぐ。



「何それ~!」

「深子、自分で“一応”って言ってる時点でアウトだよ」



琉樹に冷静に突っ込まれた深子は頬を膨らませて、磨子を半ば無理矢理連れ出してどこかへ行った。



「あー。やっと静かになったよ」

「遊びたいお年頃なんだよ」

「何その青春真っ盛りなんだよ的な言い方」

『いやぁ、でも暇だよなぁ……』