赤い狼と黒い兎Ⅱ





「黒狼が復活したとは聞いてたけど…本当とはね」

「その黒狼が馨でびっくりした?」

「いや…。いつかは総長になるだろうなって思ってたから、驚きはしなかったけど」




ここからはちょっと昔話になりそうだな…。話変えるか。




『本題に戻るけど。リョウ、お前何で喰に居たんだ?』




そう聞くと、顔を俯かせた。




『…お前、昔は良く“朱雀にぜってー入ってやる!”って言ってたじゃねぇか』

「……」




リョウは固く閉ざしていた口を、少し開けた。




「俺は……瑠衣さんに憧れてた」

『!』




今度はあたしが驚く番だった。


リョウって…瑠衣に憧れてたのか……。