「…どういう風の吹き回しだか」
琉樹に呆れられながらそう言われた。
ま…いつもの事だわな。
「シュウ、…いいのか?」
琉樹は腕を組んでシュウ…もとい亜稀羅に聞いた。
「まぁ、いいじゃん?俺もそう思うし」
「……どういう風の吹き回しだか。」
今度は溜め息を吐いて、踵を返した。
幹部、下っ端はみんなサツ行き。さっきのリョウって奴だけ、うちが引き取った。
…“喰”は元は薬物や犯罪を犯さない善良な族だった。
いつからか、荒れ果ててしまい今の状態になった。
ただ、何故、いつ、どうしてそうなってしまったのかはあたしにも分からない。
あたしが抜けた事で変わってしまったのか、それともまた別の理由か……。
その謎を解く術は今は何も、無い。

