昔っから生意気で、誰よりも負けず嫌いで、自分よりいくら強い相手でも弱い者を守るために戦うバカみたいな奴。
ああ、そういえばいたな、そんなバカな奴。
昔も今も、あたしには勝てない奴。
「ハァハァ…」
『───…もう終わりにしようか。』
こんな事やってたって、時間の無駄だ。
『お前ら、…やれ。』
「了解」
あたしの両脇を、春架達が通って行く。
ただいつも通り亜稀羅だけはあたしの隣にいる。
逃げ回る幹部達に跳び蹴りをいれるメンバー。
ホント足癖悪ぃな…。
「…で、コイツは?」
『持って帰る』
「「ハッ!?」」
本人も、メンバーも驚いて声が被る。

