同時刻、とある倉庫では…────
「総長、もうすぐですね」
「ああ…」
「アイツ…、黒狼だけはぜってー許さねえ……!」
バンッ!
一見、真面目風に見える男は怒りを露わにして机を叩いた。
「まぁ落ち着け。後でたっぷりいたぶってやりゃいいだろ」
「……チッ」
「そーいやさぁ、涼はどこ行ったの?」
「さ。下じゃねーの」
「アイツ…大丈夫なんかねぇ?死ななきゃいいけど」
おどけながら笑う薄紫色の髪をした少年。その少年に続くようにして笑う真面目風な少年。
「運が悪けりゃ、そうかもな」
「ははッ!ひっでぇ奴~」
ケラケラと笑っていた少年が、ピクリと何かに反応し扉を睨んだ。
「?、どうした?」
「…何か来た」
その言葉と同時に、幹部部屋の扉が勢いよく開いた。
「皆さん!大変です!」
「なんだ?」
「ろ…狼鬼が攻めて来ました!」
「何!?」
「おい、行くぞ!!」
慌てる幹部に容赦なく、狼鬼が攻め行ってくる。
「(…先にアッチが動いたか)…チッ」
幹部達は全員部屋を出た。

