亜稀羅も意味が分からないという顔をしていた。
『いつまでも嶽を恨んでても、瑠衣が帰ってくる訳じゃない。この先一生嶽を恨み続けるなんで間違ってる。だからあたしは、もう一度嶽と話したい。…ただそれだけ』
この怪我だって、確かに嶽のせいだけどすべて嶽のせいにするのは違う。
昔、嶽と瑠衣の間に何があったのか…あたしは知らない。
けど、だからって嶽を恨んでも意味はない。
なら、いっそのこと嶽と話せばいい。
一生許すつもりなんてないけど、少しでもその罪を重く感じて欲しい。
あたしだって…あたしたちだって、前を向いて進まなきゃいけない。

