赤い狼と黒い兎Ⅱ




亜稀羅も意味が分からないという顔をしていた。




『いつまでも嶽を恨んでても、瑠衣が帰ってくる訳じゃない。この先一生嶽を恨み続けるなんで間違ってる。だからあたしは、もう一度嶽と話したい。…ただそれだけ』




この怪我だって、確かに嶽のせいだけどすべて嶽のせいにするのは違う。


昔、嶽と瑠衣の間に何があったのか…あたしは知らない。


けど、だからって嶽を恨んでも意味はない。


なら、いっそのこと嶽と話せばいい。


一生許すつもりなんてないけど、少しでもその罪を重く感じて欲しい。


あたしだって…あたしたちだって、前を向いて進まなきゃいけない。