『……チッ』 あたしは小さく舌打ちをしてフードを深く被った。 お察しの通り、後ろにいたのは春架たちだ。 野田率いるサツは目立たないように待機しているらしい。 ガキに頼るなんて恥ずかしくねぇのかあのハゲ…。 「思ったより、増えてるみたいだな…」 『それが現状だ。…白、左の路地裏』 「りょーかい」 そう言って走る白、もとい春架。 あたしたちには元からあだ名が決まっている。 春架なら白…〝白狼〟からきてる。 あたしは黒…〝黒狼〟だからクロ。