赤い狼と黒い兎Ⅱ




あたしはくるっと踵を返して女に背を向けた。




「あっ…」

『じゃあな。気ぃ付けろよ』




そうとだけ言って暗闇に溶けた。


あの男たちはサツが捕まえてくれるから安心だ。




『(初日からこれか……)』




先が思いやられるな…。野田の奴……。


腐った男共を更正させる、なんて難題押し付けやがって…。


何人居ると思ってやがんだあのハゲ…。




『―――捕まえたか』




背後に来た奴にそう問い掛けた。




「ああ。…2人だ」

「こっちは3人だ」

「「4人」」

「2人」

「4人」