赤い狼と黒い兎Ⅱ




「なっ…」

『くだらねぇ事してっから、天罰だぜ…?』




ニヤリ、と口角を上げて笑い飛び蹴りをお見舞いした。


…こんだけでやられるとは…弱いな。




「あッ、あの!」

『ん?』




後ろに顔を向けると、女の子が少しはだけた服を直しながらあたしを見ていた。




「助けてくれてありがとうございました…っ!」

『ああ…。別に礼言われる義理はねぇから。これ、俺の仕事だし』

「へ…?」




女はキョトンとした顔で首を傾げた。


……かわいいなぁ。




『もう夜出歩くんじゃねーぞ?また怖い目見るぜ』