小さな幸せ

フッ

笑ったところに、

学年主任の川中先生がやってきて、

「ど?わこちゃんと上手くやってる?」

と聞いてきた。

彼女を紹介してくれたのは川中先生の奥さんだったから、

当然報告はすべきなんだろうな。


「わこちゃん?って鈴木さんのこと?」


「そう、鈴木和実ちゃん、

 小学校からわこちゃんの愛称で呼ばれてる。」


「わこちゃんかあ。」


彼女の人懐っこい犬っぽい黒目がちな目を思い出して。


「わこちゃん、わんこちゃん。

 いいね似合うな。」フフッ


一人で言って勝手に受けてた。


「彼女純粋だから泣かせないでよ?」


「俺も純粋ですよ~。」


はいはい。と呆れた顔して、


「じゃ、俺今日帰るから。」


そう言って帰って行った。