「あれ?」


覚君が駐車場に入ったところで声を上げた。


「誰かいるんじゃない?」


「え?誰か?」


あたしの車の横に見覚えのある車体。


「土方さんだ?」


「例の人?」


「うん。此処でおろして。」


あたしは慌ててシ-トベルトを外してドアを開けた。


「やだ。」


覚君はあたしの右手を引っ張って言った。


「俺、結構 わっこちゃんに本気なんだから。」


計器のライトだけで顔の表情が余り読み取れないけど

じっと押し黙って暫く見つめあった。


「覚君?」


「な~んてね。ほら待ってるよ早く行きな!」


握っていた腕を押して外にでるように促した。