小さな幸せ

惣のマンション。


初めて来たとき、あまりに何もなくて

惣の心の中見た気持ちになって泣いちゃったっけ、

色んな物が増えて

あの頃の部屋を思い出す事も出来ない。


惣の部屋はあのままだけど、

TVとオ-ディオセットはリビングにやってきて、

大半はここで過す。


テ-ブルすらなかったこの部屋に二人で相談しながら色々揃えた

その一つ一つがあたし達の繋がりで想い出が増えて行く。


「惣ごはんできた。」


「おお、今日はカレ-かあ。」


「チキンカレ-よ。」


惣は、浅漬けつまみにビ-ルを飲みながら

カレの-チキンをつっつく。


「ねえ、やっぱりちゃんとつまみとかって作らなきゃダメ?」


「え?別に今のままでいいけど?」


「だってなんかそういうの嫌なんだもん。」


「何?」


「カレ-はカレ-でちゃんと食べてもらいたい。」


「ああ、そうかあ。」


ビ-ルを一気飲みして。


缶をテ-ブルに置き。


「カレ-戴きます。」


惣は姿勢を正してパクついた。


なんていうか、

違う生き方をしてきた二人が

同じ生活をするのって

小さな部分で、ああ違うんだなって思う。


明日からつまみになりそうなもの作り置きしとこ。